社交辞令入門(1)〜女性の服装を褒める

微妙に昨日の続き――世の中の男性の半分はシャイであり、そのため「ソノフク、ステキデスネ」の一言を発することができずに気まずい思いをしているのである。しかしながら我々はクールでニヒルなハードボイルドとしてこれまで生きてきたつもりなのであり、そのポリシーをあっさりと捨て去り冒頭のように軟派な台詞を口にするなど矜持が許さぬ*1
そこで、服装を誉めて相手の気分を良くするという当初の目的を果たしつつ、「そんなキザなオレとかありえねーから、マジで*2」という老若男女たちの心理的障壁を少しでも和らげるにはどうすれば良いのだろうか――と、考察してみる。
例えば、「誉めてから茶化してみる」という作戦。具体的には:

「あ、それ、可愛いですね……や、大人の女性に『可愛い』
 というのはちょっと失礼かもしれませんが」

若干自虐系のオチに繋がっており、内気なハードボイルドにも何とか使用可能なレベルの発言だろう。相手が20代の女性ならば割と通用するかもしれない模様*3。ただし、10代以下は「大人の女性」に無理があるので不可。30代以上だと相手によっては「可愛い」の時点で洒落にならなくなるので不可。何より、この作戦の最大の欠点は「冷静になって考えてみると……単純に褒めるより恥ずかしいんじゃないだろうか、これ」――これに尽きる。
もうひとつ、不慣れな状況を「慣れたシチュエーションに変えてしまう」という作戦。具体的には、まぶたの裏側にこんな仮想選択肢:

◆「似合ってますね、その服」
 「勘違いしてんじゃねーの、その服」
 「やらないか」

あらかじめ「無言」や「関係ない話題」といった「逃げの選択肢」を排除しておくのである。これなら台詞を誤る可能性は0%だ――CGコンプリートを目指しているなど、特殊な目的がない限り。
――とまれ、あれこれ考えていても机上の空論にしかならないし、実践して玉砕する予定もない。社交辞令マスターのアドバイスなど、どこかに転がっていないものだろうか。

*1:――と、いうことにしてほしい。

*2:もちろん、実際には服装を褒めたくらいでキザ扱いされることなどない。一方、褒めなかったことによってボンクラ扱いされることはある。

*3:サンプル1名だけどね。