リアル系インスタントラーメンについて語る
このところステマで話題のセブンイレブンの冷凍つけ麺を食べてみようと思い立ったが近所のセブンイレブンに置いてなかったので仕方がないからかわりに少し前にステマで話題になったマルちゃん正麺を初めて買ってきたのだけど。なにこれ。別にマズくはないし、むしろ他にない食感で良いんだけど、生麺とは全然違う方向性だろ。トコロテンみたいな食感だぞこれ。ラーメンと二郎くらい違う食べ物だわ。生麺風インスタントっていうなら藤原製麺の熊出没注意ラーメンくらいのレベルになってくれよ。あれはすごいよ。時間が経っても歯ごたえあるし、冷蔵・冷凍の生麺より生麺らしいくらい。ただ、スーパーの特価品でも1食100円以上するのでインスタントにしてはちょっと高い。でも、日高屋の390円ラーメンより美味いと思うよ。リアル系インスタントという縛りで値段と味の両立を考えると、選択肢は実質、棒ラーメンしか残らない。メジャーどころは味のマルタイか。2食入って100円ちょいだから正麺より安いよね(というか大抵のインスタントラーメンより安い)。で、美味い。2食1袋でしか売ってないので「リア充御用達」みたいなことを嘆いてる奴がいたけど何いってんだ、残り1食分は替え玉だよ、替え玉。んで、棒ラーメンの雄はマルタイじゃなくて江崎製麺の福島ラーメンなのね。福島は福島でも福岡の福島ね。これはホントに美味い。でも、関東じゃどこにも売ってない。関西でも売ってない。広島と山口の一部でしか売ってない。通販は電話かfaxのみ。インスタントラーメン界の秘境……って今ググったら楽天とAmazonで売ってんじゃん。買うよ買うよ今すぐ買うよ。ポチッとな。今、時代は変わった。リアル系インスタントラーメンってなんだよ。
沙村広明「無限の住人」が完結した
以前、年を食ってラノベが読めなくなったというような日記を書いたことがあるけれど、詳しく言うとこんな感じで:
- 新しいシリーズものに手を出さなくなる
- 毎号読んでいた雑誌を読まなくなる
- 毎巻買っていたシリーズものが完結する
――あれから7年、マンガも同じプロセスを経て、ついに「卒業」に至ったわけだ。というわけで、この「むげにん」の完結は私にとって個人的に大きな意味を持っているんである。
ただ、卒業とか言いながら藤子・F・不二雄大全集は何冊か買ってたりしており、自分の老化が確実に進行していることを実感して戦慄する。年を取ると、人はたいてい「最近の○○はクオリティが低い。どうして××年代のような良い作品が出てこないのか」のような不満をボヤきながら自分の青春時代である××年代の懐メロをエンドレスで死ぬまでリピート再生するようになるのだ。そこまで分かっていても、新作に手が出ないんである。何も年のせいにするような話じゃなく、要は私自身がが文化的に死につつあるだけなのだけれど。なんというか、別にマンガを読んでいけない決まりはないのに、夢の中にいるみたいに自分の手が思うように動かせず途方に暮れる、そんな気持ちです。そんじゃーね。
ロバート・F・ヤング「たんぽぽ娘」
Day before yesterday I saw a rabbit, and yesterday a deer, and today, you.
という多分界隈では有名な一節があって、邦訳では:
おとといは兎を見たの。昨日は鹿。今日は、あなた。
みたいになっており、紳士であれば「today」と「you」の間のカンマ、「今日は」と「あなた」の間の読点が非常に重要なポイントであることがすぐに分かると思うのだけど(言うまでもなく、この「、」の間に「少女」が「彼」の方へ振り向き、タンポポ色の髪がふわりと膨らんだに違いないのである!)、それはともかくとして、なぜ日本語にすると「〜たの。」「〜あなた」のようなヘンな口調になってしまうのか、ということがずっと気になっていたのだ。翻訳調のお約束と言ってしまえばそれまでだけれど(ハリウッド映画の吹き替えはいつだってこんな感じだ)、普通に考えて、今日びこんな喋り方をする女の子はまずいない。このシーンの時点で主人公は少女のことを「頭の可哀想な娘」と認識しているので、このヘンな口調はその認識の反映だろうと最初は自然に読み流してしまっていたのだけれど、良く考えると当該シーンで実際のところ少女はまったく聡明なわけで、その彼女が妙な話し方をする道理はないのである。でも、
一昨日はウサギを見たんだ。昨日はシカ。今日は、キミ。
これなんか完全に私の趣味の妄想だし、白い古風なドレスを着たタンポポ髪の女の子なんて現実には存在しないので、口調なんて少々浮世離れしているくらいで丁度良いんだと思って非常に納得した。
映画の感想を書きます――「ステキな金縛り」「ペントハウス」「マリリン7日間の恋」「長ぐつをはいたネコ」
- ステキな金縛り
- 西田敏行演じる落武者の霊が殺人事件裁判の証言台に立つという、大変しょうもないおはなし。やっぱり三谷幸喜は好きだなぁ。例によってちょっとばかりわざとらしい伏線が、鮮やかに回収されていく。コテコテの喜劇かつお涙頂戴な演出が非常に良い。ラストに蛇足が3本くらい付いていてグダグダなのだけど、三谷幸喜だから支持する。阿部寛も良い。でも、草なぎくんはミスマッチなんじゃないかな、三谷映画には。
- ペントハウス
- 富豪専用タワーマンションの管理人が(従業員全員の)金を騙し取られた仕返しを企てるアクション喜劇。アメリカの映画らしく大味にもほどがある展開なのだけれど、敵オヤジは文句のつけようもなく悪い奴だし、ラストの主人公のドヤ顔は本当に決まってると思った。ここでドヤ顔せずにいつするんだ、という感じ。
- マリリン7日間の恋
- マリリン・モンローがイギリスでの撮影中に下っ端ADと不倫するおはなし。正直、イギリス人のセンスが何から何まで理解できない。そもそも、出世のためとかそういう動機さえもなく、マリリンより明らかに可愛いガールフレンドをないがしろにしてマリリンと浮気する下っ端の行動がおかしいし、どう見ても実のない不倫なのに妙にポジティブに描かれているのも意味不明。あと、マリリンは脱ぎすぎ。露出狂か。
- 長ぐつをはいたネコ
- 長靴をはいた猫が女傑ネコとハンプティ・ダンプティ(以下、タマゴ野郎)と一緒にジャックと豆の木みたいな冒険を繰り広げるアニメ。なのだけど、なんだこれ。明らかにタマゴ野郎が諸悪の根源だし昔も今もガンガン裏切るのに「OKOK」っぽい雰囲気で、あまつさえ美味しいシーンを持って行きやがるのはどうして。峰不二子のポジションを狙ってるのこれ。見た目タマゴじゃムリだろ。
上の4本の中では、本命「ステキな金縛り」、次点「ペントハウス」。