ポール・J・マコーリイ「4000億の星の群れ」(ハヤカワ文庫SF)*3

SF長編。遠未来の星間戦争を背景に、テレパスである主人公の触れた強大な知性の正体を探る惑星調査行がストーリーの核となる。終盤に明かされる真実のいかにもSFらしいスケールの大きさもさることながら、中盤、奇妙な生態系の中に放り込まれた主人公のサバイバル・シーンが圧巻。嶋田洋一訳。
――返す返すも残念なのは、カバーイラストや文庫帯の煽り文句が作品の内容に合っていないという点*1。や、売れそうな選択ではあるけれど。ついでに、「脆弱」に「きじゃく」とルビが振られているのもどんなものかと。

*1:私がデザイナーだったなら、カバーイラストの人物はシルエットにします。反論は受け付けません。