映画の感想を書きます――「ライラの冒険・黄金の羅針盤」「アイ・アム・レジェンド」「チーム・バチスタの栄光」「恋空」

ライラの冒険・黄金の羅針盤
真理計を手に入れた女の子が権力と戦ったりする冒険ファンタジー。原作を未読なので滅多なことは書けないのだけれど、映画だけを鑑賞した印象としては……味方パーティーが最初から全員LV99のRPGというのはいかがなものか。魔女も熊もスナイパーも強すぎて負ける気がまったくしないよ……たぶん、原作にはそれぞれが力を発揮できる条件というか一種の制約みたいな設定があるんじゃないかと思うのだけれど。ただ、ビジュアル・エフェクトはとても格好良かった。超爽快。
アイ・アム・レジェンド
ウィルスにより人類が滅亡した世界で、たった一人生き残った主人公がゾンビと戦ったりするアクションSF。これも原作を未読なので滅多なことは書けないのだけれど、映画だけを鑑賞した印象としては……ハリウッドは本当にアクションが好きなんだなぁ。ただ、映画の煽り文句にあるように「最後の一人」の孤独感が上手く表現されていたかどうかとなると首を捻ってしまう。ウィル・スミスの演技がダメとか監督や脚本が云々とかじゃなくて、ハリウッドの方法論だとそういう心理の演出は難しいんじゃないか。極端な話、例えば主人公が波止場で釣り糸を垂れているシーンを延々と30分間流し続けるとか、ハリウッドじゃ許されないでしょう。ただ、愛犬のサムはとても可愛かった。犬映画。
チーム・バチスタの栄光
厚労省の捜査官とその助手(?)が凄腕心臓外科チームの手術失敗の真相を追究したりするミステリ。やはり原作を未読なので滅多なことは書けないのだけれど、映画だけを鑑賞した印象としては……ホームズ役とワトソン役がいて、個性的な「犯人候補」の面々がいて、シリアスな展開があって、身も蓋もないオチもあって、それなりにフェアな伏線もあって、とてもミステリなミステリでした。なにはともあれ、阿部寛は良いなぁ……エキセントリックなヒーローを演らせたら彼の右に出る者はいませんね。
恋空
高校生の女の子と男の子がいちゃいちゃするラブストーリー。案の定原作を未読なので滅多なことは書けないのだけれど、映画だけを鑑賞した印象としては……携帯電話というガジェットで物語に筋を通している点には好感が持てるし、全体としてもそれほど悪くない気がする。確かに、伏線も婉曲もないストーリーや(少年少女漫画やラノベエロゲに特徴的な)「大人不在」の配役は軽薄といえば軽薄だけれど、B級恋愛映画ってそういうものだよね。その点、本作は正しいB級だと感じました。ただ、これを文字で読まされたら発狂すると思う。

総合すると、上に挙げた中では「チーム・バチスタの栄光」が一番好きです。「恋空」は途中だけ観ても冒頭や結末が気にならない安心感が嬉しい。洋画2つは(恐らくだけれど)原作の小説を読んだ方が良いんじゃないかなぁ……