ロバート・J・ソウヤー「イリーガル・エイリアン」(ハヤカワ文庫SF)*4

SF長編。人類とのファーストコンタクトに成功したエイリアンがあろうことか殺人罪に問われてカリフォルニア州の裁判に掛けられるという、ちょっと画期的な法廷モノ。「シンプソン事件」など実在の固有名詞が作中しばしば引き合いに出されていて*1、昨今話題の陪審制の入門編としてぴったりかもしれない。それでいて、終盤の飛躍はいかにもSFという感じ。紳士的なのだかひょうきんなのだか分からないエイリアンたちの振る舞いも楽しげだった。内田昌之訳。

*1:関係ないけど、被害者は「カール・セーガンの後継者」だったりする。