若竹七海、ほか「競作 五十円玉二十枚の謎」(創元推理文庫)*3

競作ミステリの問題編と解答編×12。以前から興味津々だったのだけれど、ようやく読んだ。毎週土曜に書店で五十円玉を千円札へ両替する怪しい中年男に遭遇した体験を元にして、二つの謎:

  1. なぜ本屋で毎週五十円玉を千円札に両替をするのか
  2. その五十円玉はどうして毎週彼の手元にたまるのか

に12人の書き手が挑む。解答編のうち半分はプロの作品で、残りはアマ(当時)の公募作品。
――と、期待に胸を膨らませながらページを開いたのだけれど。残念ながら、楽屋ネタが多くてまともな解答は少なめ*1。読ませる作品もあるのだけれど、全体としてはミステリファンのためのサービス本という感じ。ちょっとがっかり。
ただ、「これ」といった解答がないおかげで、読者がそれぞれの物語を夢想する余地がある。例に漏れず、私も何か書きたくなってきた。というか、今ならむしろWebサイトを用意して「五十円玉二十枚の謎コンテスト」みたいな企画を開催すれば「正答」が現れてしまうのかも。

*1:某作家の解答なんて、犯人が○○○(一応、伏字にしておく)!