グレッグ・イーガン「祈りの海」(ハヤカワ文庫SF)*2

短編SF11編。長編も良いけど、短編はネタの純度が高くて良い。特にラストの2編はイーガンっぽさ*1が凝縮されてる感じ。
でも、これは、読む順番を間違ったのかなぁ……短編だけに、ストーリーの盛り上がりやラストの爽快感はどうしても弱め。無意識のうちに既読の長編と比較してしまうので、なおさら。かといって、あなたの人生の物語のようにテーマそのものの圧倒的な存在感*2があった訳でもなく。でも、冷静に考えてみるとかなりエキサイティングな作品には違いないので、例えば短編→長編→チャンの順番で進めば絶対にもっと楽しめたはず。少し惜しい。山岸真訳。

*1:や、これまで宇宙消失万物理論しか読んでないので、本当に「っぽい」のかどうか自信がないけど。

*2:チャンのこの短編集、私的SFランクでは現在トップです。ストーリーの面白さを超えた、意識の基盤を揺るがすほどの衝撃。