宮部みゆき「龍は眠る」(新潮文庫)*10

ファンタジー長編。嵐の晩に起きた死亡事故、超能力を持つ少年、雑誌記者である主人公。大きく広げられた事件が綺麗に着地しているし、超能力者が端的な超人ではなくそれなり苦悩する存在として描かれていて、これがもし巷のライトノベルだったとしたら充分すぎる品質の物語なのだけれど。宮部作品にはもっと期待していたのになぁ、というのも事実。超能力者たちの苦悩も主人公のキャラクターも若干浅め。