加納朋子「虹の家のアリス」(文春文庫)*2

短編ミステリ6編。螺旋階段のアリスの続編。相変わらずアリスネタは浮き気味で、相変わらず二枚目になりきれない仁木が良い味を出している。変わったことといえば、安梨沙がますます敵に回せないキャラクターになってしまって怖い、ということくらいかも。読んでいて、やっぱり自分はこういう和み系が好きなんだなぁ、とつくづく思う。
中から一編を挙げるなら、5番目の「鏡の家」。GOTHでは「記憶」が好きでS&Mシリーズだと「今はもうない」が好きな身としては、これだ! という感じ。