子供/子ども/こども
私が初めてこの問題を意識したのは中村うさぎが雑誌連載で「特にこだわりはないから抗議に応えて『子ども』に変えた」と発言した頃だから随分昔のことだけれど、ARTIFACT@ハテナ系さん*1でネタにされていたので改めて考えてみた。
- 子供
- 「大人」と対応して漢字二字なのでバランスが良い。また、二字とも常用漢字に含まれ、難読語でもないから読み誤る心配はない。しかし、「供」に蔑視の意味を感じ取る人もいる。
- 子ども
- 「ら致」ほど酷くはないものの、文中に埋もれると単語の区切りを判別しにくくなる。また、「こ+ども」という構造を強く意識させるようになる*2一方、「ども」は辞書からも社会通念からも格下の対象に用いる接尾語である*3。
- こども
- 論外。「コモドドラゴン」と混同するので。
――と、現状で最も問題の少ないと思われる「子供」を私は使用します*4。というか、差別表現を避けようとして余計に不当な表現へ変えてしまったのでは本末転倒なんじゃないかなー*5。
*2:現代語の「こども」はそれ自身が一語であり、もはや「複数」の意味を持っていないのに。
*3:Web上でこの主張を展開した古い文書としては矢玉四郎の子ども教の信者は目をさましましょうがあるみたいだけれど、内容は微妙。「子供」と似た語として「友達」を引き合いに出すところまでは理に適っているものの、意図的なのかそうでないのか熟字訓と単なる当て字の区別が付いていない。友達は「ともだち」であって「ともたち」ではないから常用漢字表の付表に載っている。子供は「こども」、「こども」いずれも「こども」であり、付表に載せるまでもない(強調はアクセントの位置)。
*4:確かに私は、柔らかい表現を心掛けようと「事」「時」を「こと」「とき」に置換してみたり、敬称を「さん」で統一してみたりしているけれど……
*5:ち、ちびくろさんぼ……や、本当に「子供」がダメな人は「チャイルド」と「チルドレン」をどうぞ。単数と複数の区別もはっきり。