シェル・シルヴァスタイン「ぼくを探しに」(講談社)*16

足りないかけらを探しに行く――絵本。単純な線画が琴線に触れすぎる不朽の名作。童話や絵本は邦訳によって魅力を殺がれてしまうことも多いけれど*1、これは翻訳版の方が柔らかくて好き。倉橋由美子訳。
それはともかく、身体の欠けた主人公がぴったりのパートナーを求めて――というストーリーから古事記冒頭のイザナミ×イザナキの一節*2を連想した私は罰当たりですか、そうですか。

*1:「アリス」とか、「エミリー」とか。

*2:「吾が身は成り成りて、成り合はぬところ一処あり」――「我が身は成り成りて、成り余れるところ一処あり。故この吾が身の成り余れる処を、汝が身の成り合はぬ処に刺し塞ぎて、国土生みなさむと思ふはいかに」――「新訂 古事記」(角川文庫ソフィア)