2006-09-26から1日間の記事一覧

乙一「夏と花火と私の死体」(集英社文庫)*4

中編サスペンス2編。やはり、表題作が凄い。先日の宮部に引き続いて異色な一人称なのだけれど、今回の語り手はさらに濃くて、物語の冒頭で殺害された少女(9歳)。特に幽霊になったという描写がある訳でもなく、生前と死後でまったく空気を変えずに淡々と――…