東川篤哉「もう誘拐なんてしない」(文春文庫)*2

ミステリ長編。ヤクザの娘(女子高生)を攫ってあれこれしちゃうお話。GWに3日連続で東川作品を読んでみて、今のところこれが一番好き。お嬢様+執事モノも良いけれど、へっぽこヤクザモノも好きなので。なんだか、この作者の語り口はこの手の愉快なヤクザ一家を描くのに一番向いている気がする。ただ、起承転結の転がかなり終盤に来るうえにものすごく唐突なので、「?」と思っているうちに物語が終わってしまった、という微妙な印象は残るかも。いっそ起承承承で良かった。あと、関門海峡周辺の地理に詳しくなれたのは良かった。