ハルヒダンスぬるぬる問題について

という話題のエントリに、私は:

[おたく][ネタ]私はあまりアニメを観ないので良く分からないのだけど、「私はあまりアニメを観ないので」というのはウソじゃないかなこれ。

のような?Bコメントを付けたのだけれど、ちょっと違うよなーと感じたので日記で書き足す。
まず、前提として「ハルヒ」というアニメはアニメおたくがアニメおたく向けに作ったプロダクトであるという点を押さえておくべき。作り手のアニメーションに対する愛情と造詣の深さや作品のほうぼうに埋め込まれた「ネタ」については、私ごときが書くまでもなく既に大勢の詳しい人々が指摘している。その意味で、黒蜥蜴さんの:

アニメにしろゲームにしろ、“リアルさ”というものは全体的なバランスが大事だと思っています。

ハルヒダンスに対する批判にはなり得ない。ハルヒの想定する視聴者層はそんなことなど先刻承知で、件のOPだかEDだかを「これはアニメのお約束を破った面白い表現だな」と一種メタな視点から受け止めて、そのギャップをこそ楽しむはずだから。大量の作画枚数をロボット然としたぬるぬる運動のために費やしてみせたあの手法はディズニーアニメの小動物的なひょこひょこ感や宮崎アニメの少女愛的なさらさら・ひらひら感に対するアンチテーゼとしか考えられない。あのダンスの評判や人気の源があるとすれば、まさにそこだろう。
つまり、アクションの誇張とデフォルメを目指すディズニーの方法論を「常識」として、それとは逆向きに邁進するハルヒに「ヤバさ」を感じた黒蜥蜴さんは(最終的に浮かんだ感情の種類はさておき)制作者の意図した「正しい」楽しみ方で作品を鑑賞したことになるんじゃないだろうか。コメントで有村さんがハルヒダンスのリアリティのなさを指摘なさっているけれど、元記事のテーマが「ディズニー的なデフォルメ論」の対義語としての「リアル」だとすると(いきすぎてロボットになっているとはいえ)、そのあたりの指摘は重箱の隅にしかならないんじゃないかなー。
――と、こんなことを書きながら、私自身は件のアニメの本編どころかOPだかEDだかも未視聴なんですけど><*1