萌えについて(4)

(承前)そして、私はひとつの結論に辿り着いた。萌えとは決して自分の好意に応え得ない*1存在に対する一方通行の愛情である、と。決して相手からの見返りを求めない無私の愛情である、と*2。ゆえに、萌えは恋ではないが愛ではある。性愛エロース情愛ストルゲー友愛フィリア博愛アガペーのいずれにも属さないけれど、強いて言えばアガペーっぽい愛である。すなわち、対象こそ限定されるものの、その性質としては極めて神の愛に近い。私は、これを第5の愛――萌愛プチアガペー/モモモヘーと名付けることにしようと思う。
――と、どうでも良いことをダラダラと考えながらgoogle:萌愛してみたら、「萌愛もあいちゃん」は割とメジャーな女の子の名前らしいということが分かって若干驚愕したというのが今日の主題でした*3

*1:「応え得ない」の意味に注意。例えば、ある変質者がストーキング行為に及んだ場合、相手に応えてもらえる可能性は「現実的には」存在しないけれど「原理的には」あり得る。

*2:ただし、これは萌えが一般に恋愛対象となる人物ではなく生命を持たない物体や動物、所作や性質、架空のキャラクター、あるいは幼女といったものへ向かうことから導き返されたトートロジーにすぎない。

*3:「モアイ」は男の子だと思うんだけどな……