石持浅海「セリヌンティウスの舟」(KAPPA NOVELS)*3

ミステリ長編。テーマは……大人の友情について? 酒を飲みながら淡々と議論するだけのおはなし。オチのベタさはさておき、犯人の特定や真相の究明は「目的」ではなく「手段」にすぎないのだ*1、という設定が割と好き。とはいえ、初めて読む作家だとその作家の描写傾向の標準が分からないので、展開に気になる箇所があってもそれが伏線なのか単なる癖なのか判断に困る*2

*1:冒頭では「故人の鎮魂のため」と説明される。

*2:結果的に、この作品の場合は前者だった。